ペットを飼う方が増えている日本では、今後さらに必要とされる仕事の1つであるペットシッター。
ペットシッターになるために特別な資格は必要がありませんが、ペット関連の資格を持っていると安心ですよね。
愛玩動物飼養管理士の資格を検討している方も多いのはないでしょうか。
しかし「ペットシッターにおすすめな資格なの?」「どんなメリットがある?」「取得しても意味がない?」など不安がある方もいるとも思います。
そこで今回の記事では、ペットシッターになる上で愛玩動物飼養管理士の資格は役立つのか解説したいと思います。
結論から申し上げますと、この資格はペットシッターに向いている資格と言えます。
ペットシッターが覚えておきたい知識を身に着けることができ、開業時などに役立つメリットもあるからです。
ペットシッターになるために何か資格と取りたいと漠然思っている方も、愛玩動物飼養管理士のおすすめポイントを知ると取得したいと思えるでしょう。
愛玩動物飼養管理士はペットシッターに向いている資格?
留守中の飼い主に代わってペットのお世話をするペットシッター。
動物好きの方にとって魅力的な仕事ですよね。
利用する方も増えており、今後人気の職業になるとも言われています。
そんなペットシッターになるために、愛玩動物飼養管理士の資格を取ろうと検討中の方もいるでしょう。
しかし以下のような疑問もありますよね。
ペットシッターに必要な知識が学べるか
ペット資格の中では、国家資格の愛玩動物看護師に次いで知名度が高いと言われている愛玩動物飼養管理士資格。
国家資格ではなく民間資格ではありますが、毎年1万人以上もの方が受験するという人気資格です。
しかし、ペットシッターに必要な知識が学べない資格であれば意味がありません。
愛玩動物飼養管理士になるための勉強では、ペットシッターに関わることを勉強するのでしょうか。
もしペットシッターに関わる知識が得られないのでれば、どんなに人気資格であっても取得するメリットはないでしょう。
ペットシッターになる上でどんなメリットがあるか
ペットシッターになるために特別な資格は必要ありません。
無資格でもペットシッターとして活躍することは可能です。
そのため、わざわざ愛玩動物飼養管理士の資格にトライするのであれば「得られるメリットは多いか」を精査する必要があるでしょう。
愛玩動物飼養管理士の資格は、ペットシッターにとってどんなメリットがあるのでしょうか。
ペットシッターになる上で愛玩動物飼養管理士の資格を目指したいと思っても、このような疑問があると躊躇してしまいますよね。
反対にペットシッターと愛玩動物飼養管理士の関係性がハッキリわかれば、納得した上で取得を目指すことができるはずです。
次の章では、愛玩動物飼養管理士は「ペットシッターに必要な知識が学べる」「ペットシッターにメリットがある資格」について解説したいと思います。
愛玩動物飼養管理士はペットシッターに必要な知識が学べる資格
愛玩動物飼養管理士の資格を取るためには、この資格を実施している公益社団法人日本愛玩動物協会の通信講座で勉強します。
約半年勉強し、認定試験を受ける流れになります。
通信講座の内容はこちらの記事「愛玩動物飼養管理士は通信講座がおすすめ!通信教育の内容を解説」でご紹介していますので合わせてご覧ください。
この講座の中では、愛玩動物(ペット)の飼養管理に必要な知識を体系的に勉強します。
その内容はペットシッターに必要な知識が多く含まれています。
具体的にどんな内容を学べるのが見ていきましょう。
ペット飼養の基礎が学べる
ペットシッターの仕事は、飼い主が留守の間に自宅へ行き、飼い主の代わりにペットのお世話をする仕事です。
- 食事の用意
- トイレ掃除
- 散歩
- 室内遊び
- 健康管理
このような内容が主になります。
ペットを飼っている方にとっては「これくらいならできそう」と思うかもしれませんね。
しかしペットシッターはプロとしてペットを預かるため、飼っているペットをお世話するようにはいきません。
お世話に関する正しい知識がないと、自信を持って対応できないでしょう。
愛玩動物飼養管理士はその資格名の通り、愛玩動物(ペット)を正しく飼養するための知識を学ぶ資格です。
ペットの飼養について基礎から専門的な部分まで勉強することができます。
飼養とは、動物に食べ物を与えて養い育てることです。
「飼育」と同じような意味とされています。
愛玩動物飼養管理士になるためには、正しい食事や暮らしやすいペットの環境作りまで学びます。
さらに、動物の行動としつけについても学ぶので、散歩や室内遊びなど、ペットと関わる仕事の参考にもなるでしょう。
トラブル時の対応に必要な知識が学べる
ペットを預かっている時に、ペットが体調を壊してしまうこともあるでしょう。
最近は高齢のペットも増えているので、急に体調を崩す可能性も想定しておく必要があります。
異変に気付いた時には冷静に症状を理解して、必要に応じて動物病院に連れていくなどの対応が求められます。
しかし、知識不足だと的確な判断ができないでしょう。
愛玩動物飼養管理士の資格を取るためには、動物の病気やその予防について勉強します。
もちろん、その勉強によってあらゆるケースに対応できるわけではありません。
しかし基礎的な知識を持っていれば、自信を持って対応できるケースが増えるでしょう。
飼い主から信頼を得られるだけでなく、自分自身のやりがいに繋がるはずです。
犬猫以外のペット知識も学べる
最近は様々なペットを飼うご家庭が増えているため、ペットシッターの仕事は犬猫だけとは限りません
ハムスター、ウサギ、鳥、爬虫類の依頼を受けることもあるといいます。
ペット資格と言うと、犬や猫に特化した資格が多いですよね。
そのような資格では、幅広い動物のペットシッターには活かしにくいでしょう。
愛玩動物飼養管理士になるためには、犬猫以外の動物についての知識も必要になります。
検定試験では、小動物、鳥、爬虫類などに関する知識も問われます。
幅広い動物に関して勉強するため、犬猫以外のイレギュラーな動物の依頼がきても対応しやすいでしょう。
犬猫限定のペットシッター業者と差をつけることができれば、新たな客層を開拓できるかもしれません。
これも、愛玩動物飼養管理士を取得する魅力と言えますね。
ペットシッターが愛玩動物飼養管理士を取得するメリットとデメリット
愛玩動物飼養管理士資格を取るための勉強では、ペットシッターに必要な知識も学ぶことができます。
さらに、ペットシッターにとって得られるメリットが多い資格です。
ただし、1つだけデメリットもありますのでお伝えしたいと思います。
6つのメリット
まずはペットシッターが愛玩動物飼養管理士の資格を取ることで期待できるメリットから見ていきましょう。
- 飼い主の信頼を得られやすい
- リピーター獲得に繋がりやすい
- サービスの幅が広がる
- 就職時のアピールに役立つ
- 開業時に役立つ
- ペットシッター以外の仕事にも役立つ
このようなメリットがあると言えます。
1つずつ詳しく見ていきたいと思います。
①飼い主の信頼を得やすい
ペットシッターの仕事で難しいことは、飼い主に信頼してもらうことです。
ペットシッターは、飼い主が留守の時に鍵を開けて家の中に入り、ペットのお世話をすることが仕事です。
まず、留守中に他人に入られることに抵抗を感じる飼い主は当然多いでしょう。
さらに、自分がいないところで愛犬や愛猫のお世話をしてもらうことに不安を感じる飼い主も少なくありません。
「きちんとペットの世話をしてくれるか」「ペットに不安を与えずに対応してくれるか」など、心配は尽きないでしょう。
愛玩動物飼養管理士の資格があれば、そんな飼い主の不安を軽くすることができるはずです。
初めてペットシッターをする際には、まず飼い主と顔合わせをする流れが一般的です。
その中で、ペットに関する知識が豊富であることをアピールできれば安心してもらえるはずです。
また、専門性の高い愛玩動物飼養管理士の資格を持っていることで、ペットに対して真剣に取り組んでいることをアピールできるでしょう。
ペット専門家としてだけでなく、人としての信頼を得られるかもしれませんね。
②リピーター獲得に繋がりやすい
飼い主にとって警戒しがちになるペットシッター選び。
大事な家とペットを預けるわけですから、当然のことですよね。
しかしそのため、一度信頼できるペットシッターが見つかれば、何度もその人に頼むことになるでしょう。
前述したように愛玩動物飼養管理士の資格によって飼い主の信頼を得ることができれば、リピーター獲得に繋がりやすいというメリットもあります。
企業に雇われて働く場合には、リピーターを獲得すれば社内評価が上がるでしょう。
独立開業してペットシッターをする場合には、リピーターの確保は売上アップに直結するでしょう。
③サービスの幅が広がる
ペットシッターの仕事は、基本的に飼い主の代わりにペットのお世話をすることです。
餌やりとトイレ周りの掃除だけというペットシッターもいるでしょう。
しかしそれでは顧客(飼い主)の満足には繋がりません。
健康管理をしたり、飼養環境やしつけのアドバイスしたり、健康相談に乗ることができれば、飼い主の満足度はぐんと上がるでしょう。
愛玩動物飼養管理士になると、ペットのお世話以外にもペットの健康面、精神面でのサポートができるようになります。
飼い主にアドバイスをしたり、相談に乗ることもしやすくなるでしょう。
ペットを預かるだけでなくプラスαのサービスができれば、顧客の満足に繋がり、それがやりがいにもなります。
愛玩動物飼養管理士の資格を取ることで、ペットシッターのサービスの幅が広がることもメリットの1つですね。
④就職時のアピールに役立つ
ペットシッターとして企業に雇われて働きたいという方もいるでしょう。
最近はペットシッターを派遣する会社が増えています。
ペットシッター業界で就職活動する際にも、愛玩動物飼養管理士の資格は役立つでしょう。
ペットシッターになるために特別な資格は必要ありません。
無資格でもペットシッターの企業に雇ってもらうことは可能です。
しかしペット関連の資格を持っていることで、ペット知識が豊富であることをアピールできます。
さらに愛玩動物飼養管理士は資格自体に魅力があります。
この資格を実施している日本愛玩動物協会は、1979年に設立されており40年以上の歴史がある団体です。
しかもこの団体は内閣府認定の公益法人でもあるため信頼度が高いでしょう。
愛玩動物飼養管理士の取得者も累計20万人を超えています。
他のペット資格よりも信頼と人気のある資格なので、就職でのアピールポイントにしやすいでしょう。
これも愛玩動物飼養管理士の資格を取る大きなメリットと言えますね。
⑤開業時に役立つ
ペットシッターとして雇われるよりも、みずから開業して活躍したい方も多いでしょう。
ただしその場合には、動物取扱責任者の資格が必要になります。
ペットシッターになるためには特別な資格は必要ありません。
しかしペット関連の仕事を開業する際には、各自治体に「第一種動物取扱業」の登録をする必要があり、そのためには動物取扱責任者が事業所に1名必要になるのです。
動物取扱責任者になるための厳密なルールは各自治体によって異なります。
しかし基本的に以下4つのうち1つを満たすことが条件となっています。
- 獣医師
- 愛玩動物看護師
- 半年以上の実務経験と「所定の学校の卒業」
- 半年以上の実務経験と「所定の資格等の取得」
国家資格である獣医師や愛玩動物看護師の資格を持っていたり、動物の専門学校などの「所定の学校の卒業」をクリアしている方は良いでしょう。
しかしそれ以外の方は④の「所定の資格等の取得」を行うことになります。
愛玩動物飼養管理士の資格は、この所定の資格として多くの自治体に認められています。
ペットシッターとして独立する際に役立つ資格と言えるでしょう。
また、今は企業に雇われてペットシッターとして働いている方も、この資格を取っておくと、もし独立したくなった時にスムーズに開業できるでしょう。
ちなみに、愛玩動物飼養管理士の資格は1級と2級がありますが、動物取扱責任者の要件の一部として認められているのは1級2級です。
1級まで目指さなくても2級でOKというところも嬉しいですね。
「猫ブリーダーの動物取扱責任資格を解説」では、ブリーダーと動物取扱責任者資格について詳しくまとめていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
⑥ペットシッター以外の仕事にも役立つ
前述したように、この資格はペットシッターとして開業する時に役立つ資格の1つです。
そしてペットシッターだけでなく、ブリーダーや猫カフェなど動物に関わる仕事を始める時にも、同様に役立つ資格です。
ペットシッターの仕事をしながら、他のペット業界の仕事の可能性を考えたい方にもメリットが多い資格と言えるでしょう。
ペットシッターについて学べる資格として、「ペットシッター士」などの資格もあります。
しかしそのような資格はあくまでもペットシッターの知識をメインに学ぶため、他のペット業界には活かしにくいでしょう。
開業時に役立つ「動物取扱責任者資格」の要件にも服荒れていません。
せっかく取得するなら、ペットに関する全般的な知識が学べて、開業時にも役立つ愛玩動物飼養管理士の資格を取っておくのが賢明でしょう。
1つのデメリット
ペットシッターになる際、もしくはすでにペットシッターとして働いている方にとっても愛玩動物飼養管理士の資格はメリットが多いと言えます。
しかし1点だけデメリットがありますのでご注意ください。
実技を学ぶことはできない
愛玩動物飼養管理士の資格を取るためには、通信講座で勉強し、認定試験を受ける流れになります。
勉強方法はテキスト学習とスクーリング。
オンラインでスクーリングを受けて勉強することができます。
充実した教材が揃っているので、学校に通わなくてもペット全般について詳しく学ぶことができるでしょう。
通信講座での勉強については、こちらの記事「愛玩動物管理士は通信教育がおすすめ!通信講座の内容を解説」をぜひご覧ください。
しかしながら、すべて座学になるため実技を学ぶことはできません。
ペットシッターの仕事は、直接ペットに対応することで学んだり、問題点を見出せることが多いでしょう。
しかし残念ながら愛玩動物飼養管理士の勉強ではそれができません。
実技を学びたい場合は、実際にペットシッターに同行させてもらい勉強する必要があるでしょう。
資格取得の中では現場体験ができないことは覚えておいてくださいね。
愛玩動物飼養管理士はペットシッターに役立つ資格
今回は、愛玩動物飼養管理士はペットシッターにおすすめの資格なのか解説してきました。
この資格では、「ペット飼養の基礎」「トラブル時の対応」「犬猫以外の知識」などペットシッターに必要な知識を学ぶことができます。
さらに、「飼い主の信頼を得やすい」「新規開拓に役立つ」「サービスの幅が広がる」「開業時に役立つ」「他のペット業界にも役立つ」などのメリットが得られるとも言えます。
愛玩動物飼養管理士の資格は、ペットシッターとして活躍する上で役立つ資格と言えるでしょう。
ただし、実技体験ができないなど注意点もあります。
詳しい内容を知りたい方は、事前に資料をチェックしておくと安心です。
愛玩動物飼養管理士の公式サイトでは無料で資料だけ取り寄せることができますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。