命が生まれる瞬間に立ち会ったり、可愛い子猫の成長を見れるなど猫好きにはたまらない仕事である「猫ブリーダー」。
猫を飼う方が多い日本では、ブリーダーの仕事が人気を集めています。
猫ブリーダーとして独立したいと検討されている方もいるでしょう。
しかし問題は、猫ブリーダーとして販売、開業する際に必要な資格についてですよね。
猫ブリーダーになりたくても、資格がなければ開業できないかもしれません。
結論から申し上げますと、猫を繁殖、販売するブリーダーを開業するためには動物取扱責任者の資格が必須です。
また優良ブリーダーとして活躍するためには、猫に関する資格を持っておいたほうが良いでしょう。
この記事では、猫ブリーダー開業の際に必要になる資格について紹介したいと思います。
資格取得がネックとなり猫ブリーダーを躊躇している方も、資格に関する詳しい情報がわかると、開業に前向きになれるかもしれませんよ。
猫のブリーダーの販売・開業に必要な資格は?
猫の繁殖、飼育、販売を行う猫ブリーダー。
ブリーダー業を営む会社に就職する方法もありますが、自ら開業し猫ブリーダーとして活躍したい方も多いでしょう。
そこで気になるのが「資格」に関する問題です。
以下のような疑問がある方は多いのではないでしょうか。
手続きする際に必要になる資格はある?
動物を販売する際には販売業の登録が必要になります。
この時にどんな資格が必要になるのでしょうか。
わからないまま役所に手続きに行き、資格がない為に販売業の登録ができなかったらガッカリですよね。
猫ブリーダーとして開業し販売を行う際にはどのような資格が必要になるのでしょうか。
持っていたほうが良い猫資格はある?
猫ブリーダーの仕事は販売だけではありません。
繁殖、飼育することも重要な仕事です。
そのため、何の猫知識もない人ができる仕事ではありません。
そこで必要になってくるのが猫に関する資格です。
猫ブリーダーになるために猫資格を検討している方もいるでしょう。
しかし最近は様々なタイプの猫資格があるため、その中から1つを選ぶのが大変ですよね。
このように猫ブリーダーとして開業し、販売を手掛けていきたいと思っても「資格」の部分で躓いてしまうかもしれません。
次の章では猫ブリーダーの開業に必要な資格について詳しく解説したいと思います。
猫のブリーダーの販売・開業に必須は動物取扱責任者の資格
猫ブリーダーとして開業し、販売を手掛ける場合には動物取扱責任者の資格が動物取扱責任者資格です。
ただし「販売」「開業」をしない場合には動物取扱責任者の資格は必要ありません。
またこの資格は独立した資格ではないため、取得方法がやや複雑です。
きちんと理解していただくために、わかりやすく解説していきたいと思います。
「販売」「開業」には動物取扱責任者の資格が必要
実は猫ブリーダーになるために特に必要な資格はありません。
誰でも猫ブリーダーを名乗ることはできます。
ただし「販売」「開業」が関わってくる場合には動物取扱責任者の資格が必須になります。
反対に、「販売」「開業」をしない場合には、動物取扱責任者の資格は必要ありません。
例えば以下のようなケースです。
- 猫ブリーダーを営む会社に就職してブリーダー業務を行う
- 猫を欲しがっている人に、自宅で生まれた猫を譲る
このような場合は特に資格は必要ありません。
ただし以下のような場合は販売業の無登録営業になってしまうので注意してくださいね。
- 自宅で生まれた猫を、SNSを通じて他人に販売した
- 自宅で生まれた猫をペットショップに販売した
このようなケースにおいては動物取扱責任者の資格が必ず必要になります。
それでは、動物取扱責任者資格とは具体的にどのようなものなのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
動物取扱責任者の資格を取る方法は4つ
動物取扱責任者の資格を取得するためには、以下4つのうち1つに該当する必要があります。
- 獣医師
- 愛玩動物看護師
- 半年以上の実務経験と所定の学校の卒業
- 半年以上の実務経験と所定の資格等の取得
①獣医師と②愛玩動物看護師は国家資格になりますので、指定科目のある大学などで勉強し、国家試験を受ける必要があります。
③の「所定の学校」とは猫ブリーダーに関わる知識と技術を学べる学校のことです。
さらに③④は半年以上の実務経験も必要になります。
①~③の内容については、こちらの記事「猫ブリーダーの動物取扱責任資格を解説」で詳しくまとめていますのでご参考ください。
この記事では、④の「所定の資格等の取得」について見ていきたいと思います。
各都道府県に認められている動物資格
動物取扱責任者の資格の要件4つのうち、獣医師、愛玩動物看護師、学校卒業の3つはすぐにクリアできるものではありません。
しかし資格取得なら短期間で取得できるケースもあるため、これまで動物について学んだ経験がない方にもハードルが低いでしょう。
それでは具体的にどんな資格を取れば良いのでしょうか。
詳しくは、「営もうとする動物取扱業の種別に係る知識と技術を習得していることの証明」となっています。
猫ブリーダーの仕事は、第一種動物取扱業の区分のうち「販売」に含まれます。
動物の販売に関係した資格を取るということです。
具体的には、各都道府県が動物取扱責任者の資格を得るための「動物に関する資格」として認めている資格になります。
「動物取扱責任者 〇〇(地域名)」でネット検索すると、「〇〇市が認めている資格一覧」などの情報が出てくるでしょう。
まずはあなたがお住まいの地方自治体では、どのような動物資格が該当するのかチェックしてみてください。
ここでは、環境省が「知識および技術を習得していることの証明」として認めている資格をご紹介したいと思います。
資格名 | 認定団体 |
愛犬飼育管理士 | 社団法人ジャパンケネルクラブ |
家庭動物管理士 | 一般社団法人全国ペット協会 |
愛玩動物飼養管理士(1級・2級) | 公益社団法人日本愛玩動物協会 |
小動物飼養販売管理士 | 協同組合ペット・サービスグループ(PSG) |
JAHA 認定家庭犬しつけインストラクター | 公益社団法人日本動物病院福祉協会 |
動物看護士(3 級) | 公益社団法人日本動物病院福祉協会 |
動物介在福祉士(初級、中級、上級、教師) | 一般社団法人全日本動物専門教育協会 |
動物看護師(初級、中級、上級、教師) | 一般社団法人全日本動物専門教育協会 |
家庭犬訓練士(初級、中級、上級、教師) | 一般社団法人全日本動物専門教育協会 |
動物取扱士(3 級) | NPO 法人九州鳥獣保護協会 |
トリマー(初級、中級、上級、教師) | 一般社団法人全日本動物専門教育協会 |
愛護動物取扱管理士 | 社団法人新潟県動物愛護協会 |
競技別指導者資格馬術コーチ | 財団法人日本体育協会 |
競技別指導者資格馬術指導員 | 財団法人日本体育協会 |
競技別指導者資格馬術上級コーチ | 財団法人日本体育協会 |
公認馬術指導者資格コーチ | 財団法人日本体育協会 |
公認馬術指導者資格指導者 | 財団法人日本体育協会 |
乗馬指導者資格(初級) | 社団法人全国乗馬倶楽部振興協会 |
乗馬指導者資格(中級) | 社団法人全国乗馬倶楽部振興協会 |
地方競馬教養センター騎手過程修了者 | 地方共同法人 地方競馬全国協会 |
調教師 | 地方共同法人 地方競馬全国協会 |
実験動物技術者(2 級) | 社団法人日本実験動物協会 |
各都道府県が「動物の販売に係る資格」として認めている資格も、上表の資格がほとんどです。
この一覧を参考にしていただくとイメージが沸きやすいかと思います。
猫以外の資格は自治体に確認が必要
上表の資格は、動物の販売に係る仕事を開業する際に、動物取扱責任者の要件の1つに認められることが多い資格です。
ただし注意していただきたいのが、「猫以外の動物に関する資格」です。
例えば1番上の愛犬飼育管理士は、犬に特化した資格であるため、猫ブリーダー開業の資格として認めていない自治体もあります。
各都道府県によって判断が変わり、しかもその内容がホームページ等に記載されていないことが多いです。
猫ブリーダーの開業にはどの資格が該当するのか、自治体に連絡をして確認しておくことをおすすめします。
おすすめは猫について学べる資格
動物取扱責任者の資格を得るためには、各都道府県が認めている動物資格の取得が必要です。
各都道府県が認めていれば、猫以外の犬や馬に特化した資格でもOKの場合もあります。
ただしおすすめは猫について学べる資格です。
猫ブリーダーは、販売だけでなく、繁殖や飼育も重要な仕事になります。
猫の生体について、できるだけ多くの知識を得ておくことが大事です。
以下2つのような資格なら、猫について学ぶことができます。
- 愛玩動物飼養管理士(1級・2級)
- 家庭動物管理士
どちらも各都道府県の多くから動物取扱責任者の条件として認められています。
スクールなどに通わず、テキスト勉強で取得できる資格なのでおすすめです。
愛玩動物飼養管理士(1級・2級)
資格名 | 愛玩動物飼養管理士 |
認定機関 | 日本愛玩動物協会 |
学習方法 | 日本愛玩動物協会の通信講座 |
学習期間目安 | 6~8ヶ月 |
受講受験料 | ・2級:32,000円 ・1級:34,000円 |
受験資格 | ・2級:満15歳以上の者 ・1級:2級愛玩動物飼養管理士の資格を有する者 |
受験方法 | 会場試験 |
認定登録料 |
2級:8,000円 1級:20,000円 |
合格基準 | 得点率80%前後 |
試験日程 | 年に2回(2月、11月) |
「愛玩動物飼養管理士」は、ペットの正しい飼い方の知識や、動物関係法令、動物愛護の精神などを世間に広めるためのペットの専門家であること証明する資格です。
1級と2級に分かれており、1級が受けるためには2級の取得が必要になります。
テキストとスクーリング(オンライン)が主な教材になり、カリキュラム終了後は会場で認定試験を受けます。
動物の飼い方やしつけ、人と動物の関係学、動物関係法令など幅広いい知識が必要になるため範囲は広いです。
1、2級どちらも取る場合には6~8ヶ月はかかるでしょう。
詳しい内容を知りたい方は無料の資料請求がおすすめです。
愛玩動物飼養管理士の公式サイトから簡単に申し込めますので、チェックしてみましょう。
また、愛玩動物飼養管理士の詳しい内容を知りたい方は、こちらの記事「愛玩動物飼養管理士とはどんな資格?内容・意味・取り方を解説」も参考にしてみてくださいね。
家庭動物管理士
資格名 | 家庭動物管理士 |
認定機関 | 一般社団法人全国ペット協会 |
学習方法 | テキスト勉強+スクーリング |
学習期間目安 | 2~3ヶ月 |
受講受験料 | 20,000円 |
受験資格 | ・ペット動物販売店等で働いている者又は働くことを希望している者 ・飼養動物に関する学校その他教育機関を卒業した者及び卒業見込みの者 ・ペット動物などに関する資格を有している者 |
受験方法 | 会場試験 |
受験料(税込) | 10,000円 |
登録料 |
10,000円 |
合格基準 | 非公開 |
試験日程 | 2024年5月24日、8月(それ以降は未定) |
「家庭動物管理士」ペットを育成するプロであることを証明する資格です。
一般社団法人全国ペット協会が認定機関の民間資格なのですが、資格取得者が31,000人を超える非常に人気の資格となっています。
2、3級に分かれていますが、現在実施されているのは3級だけです。
テキストとスクーリング(オンライン)が主な教材になります。
2~3ヶ月ほど勉強した後に、「1日の講義+試験」を受けて合格すれば資格取得です。
猫ブリーダーになる上で知っておきたいビジネス的な知識から、猫の健康管理、繁殖方法まで学ぶことができます。
あまり時間をかけずに資格を取りたい方にもおすすめです。
猫のブリーダーの販売・開業におすすめは民間の猫ブリーダー資格
ここまでご紹介してきたように猫ブリーダーとして開業し販売を行う際に必要な資格は「動物取扱責任者資格」だけです。
しかし猫ブリーダーと活躍するためには、民間の猫ブリーダー資格を取得しておいたほうが良いでしょう。
その理由と、具体的なおすすめ講座をご紹介したいと思います。
民間の猫ブリーダー資格おすすめ理由
猫ブリーダーになるための国家資格はありませんが、民間資格はいくつかあります。
取得が必須とされているわけではありませんが、以下のような理由から、取得しておいたほうが良いと言えるでしょう。
①ブリーダー全般知識を学ぶことができる
ブリーダーの仕事は、販売、繁殖、飼育など多岐に渡ります。
猫について詳しい知識がある方でも、ビジネスの部分がわからなかったり、正しい繁殖知識が少ない場合もあるでしょう。
ブリーダー資格を取るためには、ブリーダーになるために知っておきたい知識を体系的に学ぶことができます。
最近はネットで様々な情報を得ることはできますが、どうしても断片的な知識になってしまいますし、信憑性の高い情報だけでもありません。
資格取得のための勉強なら、正しい知識を網羅的に学ぶことができるので安心です。
②ブリーダーとしての自信がつく
無資格でもブリーダーを名乗ることはできます。
従業員として働く場合には、資格がなくても経営者や先輩から知識を学ぶことで自信が持てるようになるかもしれません。
しかし独立して開業する際には、何も資格がないと不安になる方もいるでしょう。
ブリーダーの資格を持つことで、猫ブリーダーとして、そして経営者として自信を持てるようになるメリットがあります。
③顧客からの信頼を得やすくなる
猫を飼う人が増えるなか、猫ブリーダーになる人も増えています。
しかし残念ながら、一定数の悪質ブリーダーが存在するのも事実です。
猫を飼いたい方は、そのような悪質ブリーダーを避け、優良ブリーダーを探すでしょう。
その見極め方法として効果的なのが「資格」です。
ブリーダー資格を持っていれば、飼い主から信頼を得やすくなるでしょう。
また、資格取得で学んだ知識があれば、飼い主に的確な説明やアドバイスもできるようになるので、より信頼度を上げることができるはずです。
④通信講座で気軽に取得できる
猫ブリーダーに関わる資格は、通信講座で受けられるものが多いです。
スクールに通ったり、何度もセミナーに参加するなどの面倒なことがありません。
好きな時間、好きな場所で勉強して資格取得を目指すことができます。
そんな気軽に勉強できる資格であれば、あまり負担にならずに取ることができるでしょう。
猫ブリーダー資格おすすめは「ブリーダー講座」「ブリーダープロフェッショナル」
猫ブリーダーになるためにブリーダー資格は必須ではありません。
しかし、全般的な知識を学べて、自信や信頼に繋がるので取得がおすすめです。
また通信講座で取得できる資格が多いところもおすすめポイントです。
そんなブリーダー資格の中で、当サイトおすすめの講座をご紹介したいと思います。
ヒューマンアカデミーが実施している「ブリーダー講座」「ブリーダープロフェッショナル」です。
以下に概要をまとめましたのでご覧ください。
通信講座 | ヒューマンアカデミー | |
講座名 | ブリーダー講座 | ブリーダープロフェッショナル講座 |
学習期間目安 | 4ヶ月 | 6ヶ月 |
受講料 | 125,400円 | 300,300円 |
目指せる資格 | ・ペット繁殖指導員 | ・ペット繁殖指導員 ・動物健康管理士 ・ペット販売士 ・ペット防火管理士 すべての資格 |
ライセンス交付代14,000円 | 1資格あたりのライセンス交付代:14,000円 | |
合格基準 | 200点中140点以上 ※ペット繁殖指導員は非公開 |
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試験日程 | 随時 | |
受験方法 | 在宅受験 |
「ブリーダー講座」はペット繫殖指導員のみですが、「ブリーダープロフェッショナル講座」は、ペット繁殖指導員、動物健康管理士、ペット販売士、ペット防災管理士の4資格を目指すことができます。
猫ブリーダーとして独立開業する際に、できるだけ多くの知識を得たい方、多く資格を持ち信頼度を上げたい方は後者の講座を選ぶと良いでしょう。
各資格の詳しい内容は、こちらの記事「ペット繁殖指導員資格の口コミ 評判は?」「動物健康管理士とはどんな資格」「ペット販売士資格の口コミ評判を検証」をご覧いただければと思います。
また、ヒューマンアカデミーの講座は質の高いテキスト、さらにDVD教材、eラーニングまで完備されているので学習しやすい環境が整っています。
学びをサポートしてくれるサービスも充実しているので初心者でも安心です。
また、経営ノウハウやペット業界の全貌について学べる「ペットビジネス独立開業セミナー」(一般社団法人日本ペット技能検定協会主催)に参加できるサービスもあります。
猫ブリーダーとしての開業に不安がある方は、このセミナーが非常に役立つでしょう。
それぞれの講座に関しては、こちらの記事「ブリーダー講座資格の口コミ評判は?」「ブリーダープロフェッショナル資格の口コミ評判は?」で詳しく解説したいと思います。
気になる方はぜひチェックしてみてください。
猫ブリーダー販売・開業には資格取得が重要
今回は猫ブリーダーとして独立開業し、販売を行う際の資格について解説してきました。
猫ブリーダーを名乗るために必須な資格はありません。
しかし「開業」「販売」を手掛ける場合には、動物取扱責任者の資格が必要になります。
ただしこれは独立した資格ではありませんので、4つの要件のうち1つに該当する必要があります。
その中でおすすめは今回ご紹介したような猫に関して学べる資格です。
愛玩動物飼養管理士、家庭動物管理士の資格などが代表的な資格になっています。
詳しい資格の種類は自治体のホームページからご確認くださいね。
また、必須ではありませんが、ブリーダーに関する民間資格の取得もおすすめです。
ブリーダー業について体系的に学ぶことができて、自信や信頼に繋がるでしょう。
今回ご紹介したヒューマンアカデミーの講座なら、充実した学習サポートを受けながら学習できるのでおすすめです。
猫ブリーダーの開業の資格取得が面倒に感じている方も、通信講座なら気軽にトライできるのではないでしょうか。