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愛玩動物飼養管理士と家庭動物管理士の違いは?動物取扱責任者に役立つ人気2資格を解説 は

ペット関連の資格の中でも似ている資格が、愛玩動物飼養管理士と家庭動物管理士です。

どちらも動物取扱責任者の資格要件として多くの自治体に認められている資格となっています。

似ている要素が多いため、「どちらを取得するか迷ってしまう」という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、愛玩動物飼養管理士と家庭動物管理士の違いを徹底解説したいと思います。

「取得する目的」「学ぶ内容」「認定機関、資格取得者数」「学習方法、学習期間」「受験資格」「費用」「試験概要」など、さまざまな角度から比較します。

似た資格ではありますが、違いも多いことがわかるはずです。

2つの資格の違いがわかると、自分に合った資格はどちらなのか見極めることができるでしょう。

愛玩動物飼養管理士と家庭動物管理士の違いは?

ペット関連の仕事に活かすために資格を取る方が増えています。

しかし似ている資格が多いため、迷ってしまう方は多いでしょう。

特に違いがわかりにくのが、愛玩動物飼養管理士と家庭動物管理士です。

以下のような問題から見ていきましょう。

似た要素が多いからわかりにくい

ペット関連の仕事を開業する時には、各自治体が定めた動物取扱責任者としての条件をクリアする必要があります。

愛玩動物飼養管理士と家庭動物管理士は、どちらもその要件の1つとして、多くの自治体が認めている資格です。

そのため、どちらも開業時に取得する方が多い資格として知られています。

その他にも「通信講座で勉強する」「会場受験をする」など、似ている要素が多いので、どちらを取るべきか迷ってしまうでしょう。

自分に合った資格はどちらなのかわかりにくい

2つの資格は似ている要素が多いですが、実際に取得した後に「やはりもう一方の資格を取れば良かった…」と失敗する可能性はあります。

しかしイマイチ違いがわからないため、自分に合った資格はどちらなのか迷ってしまいますよね。

せっかく勉強して取得した後に後悔しないように、きちんと違いを理解したいですね。

 

このような疑問があり、愛玩動物飼養管理士、家庭動物管理士のどちらの資格を目指すべきか迷っている方は多いのではないでしょうか。

次の章ではこのような疑問を解消し、納得した上でどちらかの資格を選ぶために、2つの資格を徹底比較したいと思います。

愛玩動物飼養管理士と家庭動物管理士の違いを解説

この2つの資格のうち、自分に合った資格はどちらなのでしょうか。

それを見極めるためには、様々な角度から比較する必要があります。

ここからは、愛玩動物飼養管理士と家庭動物管理士について、以下の7つの項目別に比較したいと思います。

  1. 取得する目的
  2. 学ぶ内容
  3. 認定機関、資格取得者数
  4. 学習方法、学習期間
  5. 受験資格
  6. 費用
  7. 試験概要

まずは比較表を作りましたのでご覧ください。

資格名 愛玩動物飼養管理士 家庭動物管理士
認定機関 公益社団法人日本愛玩動物協会 一般社団法人全国ペット協会
資格取得者数 累計約21万人(40年以上の歴史ある資格) 累計約31,500人
学習方法 通信講座(テキスト学習、スクーリング、課題提出) 通信講座(テキスト学習、スクーリング)
1級 2級 3級 2級(現在は中止)
学習期間目安 約6ヶ月以上 約6ヶ月以上 約2~3ヶ月 不明
受験資格 2級愛玩動物飼養管理士の資格を有する者 満15歳以上の者 ペット業界で働く予定がある者など 家庭動物管理士3級の保持者で、動物取扱業での2年以上の実務経験がある物
受験受講料 34,000円 32,000円 受験料:10,000円
受講料:20,000円
受験料:10,000円
受講料:20,000円
登録料 20,000円 8,000円 10,000円 15,000円
更新料 なし なし 10,000円(2年ごと) 15,000円(5年ごと)
試験日程 年2回 年4回程度 現在中止中
試験会場 全国主要都市 全国主要都市
試験方法 マークシート方式 マークシート方式
合格ライン 非公開 70%以上
合格率 約8割 約8割

愛玩動物飼養管理士は1級、2級があり、家庭動物管理士は2級と3級があるのが特徴です。

しかし家庭動物管理士は現在3級だけです。

この表を参考にしながら、項目別に比較解説したいと思います。

①取得する目的

最近はペット関連の資格などを取得する方が増えています。

その目的は大きく「飼っているペットのため」「ペット関連の仕事のため」の2つに分けられるでしょう。

愛玩動物飼養管理士と家庭動物管理士は、この両方の目的に合った資格です。

愛猫のために取る方もいれば、ペットショップなどの仕事に活かす方に取る方もいます。

しかしどちらも、「開業時に必要な動物取扱責任者資格」という目的で取得する方が多い資格でもあります。

ペット関連の仕事を開業する場合は、第一種動物取扱業に登録する必要があり、都道府県知事や、政令市の長へ許可をもらう申請を行います。

動物取扱責任者資格は、この登録に必要になるのです。

そして、この資格の要件を満たすためには、以下4つのうちいずれかをクリアする必要があります。

  1. 獣医師
  2. 愛玩動物看護師
  3. 半年以上の実務経験と所定の学校の卒業
  4. 半年以上の実務経験と所定の資格等の取得

①~③の条件はハードルが高いですが、④は所定の資格を取ればクリアできるのでハードルが低いですよね。

愛玩動物飼養管理士と家庭動物管理士は、④の「所定の資格」として、多くの自治体に認められています。

そのため、開業時に取る方が多い資格とされています。

開業時に必要な動物取扱責任者のための資格を取りたい方は、2つの資格どちらでもOKということですね。

動物取扱責任者資格については、こちらの記事「猫ブリーダーに必要な動物取扱責任資格を解説」で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

②学ぶ内容

どちらも動物取扱責任者の条件クリアに役立つ資格ではありますが、学ぶ内容は異なります。

それぞれの資格の試験内容を見ながら、学ぶ内容を比較しましょう。

愛玩動物飼養管理士

愛玩動物飼養管理士は1級と2級に分かれており、それぞれ試験科目が異なります。

1級の試験科目  2級の試験科目
①動物の体の仕組みと働きⅡ
②動物の遺伝と繁殖生理Ⅱ
③動物の行動と社会
④犬と猫の栄養学
⑤飼育動物の種類と特徴
⑥動物医療等関連法規
⑦動物愛護・適正飼養関連法規Ⅱ
⑧動物の疾病とその予防
⑨動物の飼養管理と公衆衛生
⑩適正飼養指導論
⑪自然と人間
①愛玩動物飼養管理士
②生命倫理・動物福祉
③動物の体の仕組みと働きⅠ
④動物の遺伝と繁殖生理Ⅰ
⑤動物の行動としつけ
⑥動物愛護・適正飼養関連法規Ⅰ
⑦愛玩動物学
⑧人と動物の関係学
⑨動物生活環境学
⑩ペット関連産業概論

ペットに関する知識を体系的に学ぶことがわかりますね。

2級では体の仕組みや行動、しつけなど基礎的なことから、人と動物の関係学なども学びます。

1級では、病気や予防、栄養学など、さらに専門的な知識を学ぶので、ペット業界でも役立つ知識が身につくでしょう。

家庭動物管理士

家庭動物管理士は3級と2級がありますが、現在は3級のみです。

3級の出題範囲をまとめましたのでご覧ください。

 学ぶ内容
1章:動物取扱業者の職業倫理 ・動物取扱業の社会的役割と責任
・動物の愛護のための法律知識
2章:動物販売に必要な基礎知識と技術 ・トラブル予防と発生時の対応に関する基礎知識
・接客マナーの基本
3章:動物に関する基礎知識と管理方法 ・動物に関する基礎知識
・適正飼養・管理のための行動学
4章:動物の健康管理 ・犬と猫の病気に関する知識
・ペットフード・犬猫関連用品
5章:動物の適正な繁殖方法 ・犬と猫の繁殖
・血統証明書の意義と見方

動物に関する基礎知識、健康管理などを一通り学ぶところは、愛玩動物飼養管理士と似ていますね。

しかし、こちらの資格では「動物販売に必要な知識」も重点的に学ぶことがわかります。

ペット業界に就職する、もしくは開業する時に必要なビジネス知識も多く身に着けられるでしょう。

このように、どちらもペットに関する基礎から専門的な知識を網羅的に学べる資格です。

ただしペット業界の販売・接客などについてより深く学びたい方は、家庭動物管理士が向いているでしょう。

③認定機関、資格取得者数

最近は様々なタイプのペット資格があるので注意が必要です。

資格を選ぶ時には、信頼できる認定機関なのか、実績があるか等を確認しましょう。

取得した後に「知名度が低すぎる資格で役立たなかった」などの失敗がないようにしたいですね。

愛玩動物飼養管理士

この資格を認定しているのは、公益社団法人日本愛玩動物協会です。

1979年に設立されており、40年以上の歴史があります。

さらに、内閣府認定の公益法人でもあるため信頼度は非常に高いでしょう。

資格取得者は累計21万人以上もいるため、ペット業界で働く際にはアピールしやすい資格と言えます。

家庭動物管理士

この資格の認定機関は、一般社団法人全国ペット協会です。

2001年設立なので20年以上の実績はありますが、愛玩動物飼養管理士よりは歴史が浅いですね。

資格取得者も約31,500人なので、愛玩動物飼養管理士よりは少ないです。

どちらも信頼度の高い団体が認定している資格と言えます。

しかし知名度や実績を求めるのであれば、愛玩動物飼養管理士に軍配が上がるでしょう。

④学習方法、学習期間

次に学習に関する情報を比較したいと思います。

民間資格の勉強方法は、「通学」「通信講座」「独学」のいずれかが一般的です。

愛玩動物飼養管理士と家庭動物管理士はいずれも「通信講座」で勉強できます。

どちらも通信講座なので違いがわかりにくいですが、細かい部分が違いますので見ていきましょう。

愛玩動物飼養管理士

認定機関の日本愛玩動物協会が実施している通信講座を受講して勉強します。

学習期間は2級、1級いずれも半年程度。

他のペット資格と比べてもやや学習期間は長いでしょう。

メインの勉強方法はテキスト学習です。

テキストを読み込んで知識をインプットしていきます。

さらにオンラインのスクーリングの受講も必須です。

テキストの要点をわかりやすく学べるので、効率的な学習ができるでしょう。

また課題を解いて提出。自分の実力をチェックすることができます。

勉強方法については、こちらの記事「愛玩動物飼養管理士1級2級の勉強方法は?」で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

家庭動物管理士

認定機関の全国ペット協会の通信講座を受講して勉強します。

学習期間は2~3ヶ月程度が目安です。

愛玩動物飼養管理士より短めに設定されていますね。

学習方法は、こちらもテキスト学習とオンラインのスクーリングです。

課題提出はありません。

 

このように、どちらも通信講座で学習方法になり「テキスト学習」「オンラインのスクーリングを受ける」は同じです。

どちらも資格も以前は実際に会場へ行きスクーリングを受講していましたが、現在はオンラインOKなので受けやすいでしょう。

一方、学習期間や課題の有無は異なります。

より短期間で勉強したい方、課題提出が面倒な方は家庭動物管理士が向いているでしょう。

時間をかけてじっくり勉強したい方は、愛玩動物飼養管理士が良いですね。

⑤受験資格

資格を目指す時に確認しておくべきことは、受験資格です。

取得したい資格であっても、そもそも受験資格をクリアしていなければ受験することができません。

どちらの資格も条件がありますのでご注意ください。

愛玩動物飼養管理士

この資格は1級と2級があります。

2級は満15歳以上ならどなたでもOKです。

ただし1級は2級取得者であることが受験条件になります。

2級を受けずに1級を受験することはできませんのでご注意ください。

しかしながら、実務経験などの条件はありませんので、比較的受けやすい資格と言えるでしょう。

家庭動物管理士

こちらの資格は2級と3級があります。

3級の受験資格は、以下のいずれかに該当していることです。

  1. ペットショップ等で働いているor働くことを希望している者
  2. 飼育動物関連の教育機関を卒業or卒業見込みの者
  3. ペット関連の資格を持っている者

②③に該当しなくても、①の「ペットショップなどで働くことを希望している」はクリアできるでしょう。

ただし2級は実務経験が必要になります。

家庭動物管理士3級保持者で、かつ動物取扱業で2年以上の実務経験が条件です。

 

愛玩動物飼養管理士も家庭動物管理士も、下の級の受験条件は厳しくありません。

しかし上の級を取るためには、下の級を持っていることが条件になります。

家庭動物管理士はさらに実務経験が問われます。

実務経験がない状態で資格取得を目指す場合は、愛玩動物飼養管理士が向いていますね。

⑥費用

ペット関連の資格を取るためには、様々な費用がかかります。

通信講座を受講して資格を取る場合は、受講料、受験料は必須です。

さらに合格した後の登録料は、資格を維持するための更新料が発生する場合もあります。

愛玩動物飼養管理士と家庭動物管理士の費用を下表に比較しましたのでご覧ください。

資格名 愛玩動物飼養管理士 家庭動物管理士
学習方法 通信講座(テキスト学習、スクーリング、課題提出) 通信講座(テキスト学習、スクーリング)
1級 2級 3級 2級(現在は中止)
受験受講料 34,000円 32,000円 受験料:10,000円
受講料:20,000円
受験料:10,000円
受講料:20,000円
登録料 20,000円 8,000円 10,000円 15,000円
更新料 なし なし 10,000円(2年ごと) 15,000円(5年ごと)

受験・受講料は、どちらも級も愛玩動物飼養管理士のほうが高いですね。

登録料は愛玩動物飼養管理士3級が最も安く、2級が最も高いです。

ただし、家庭動物管理士は更新料がかかります。

3級は2年後、2級は5年後ごとに更新料を払う必要があります。

愛玩動物飼養管理士は更新料はかかりませんので、合格時に認定料だけ払えば、あとは費用は発生しません。

更新料を考えると、最終的に家庭動物管理士のほうが高くつくでしょう。

費用に関しては、どちらの資格もあまり差はありません。

ただし更新料を支払い続けたくない方は、愛玩動物飼養管理士のほうが向いているでしょう。

⑦試験概要

最後に気になる試験概要を比較しましょう。

以下の表にまとめましたのでご覧ください。

資格名 愛玩動物飼養管理士 家庭動物管理士
2級 3級 2級(現在は中止)
試験日程 年2回 年4回程度 現在中止中
試験会場 全国主要都市 全国主要都市
試験方法 マークシート方式 マークシート方式
合格ライン 非公開 70%以上
合格率 約8割 約8割

愛玩動物飼養管理士

現在試験は2月と11月の年2回実施になっています。

2月の試験を逃すと、次は11月になってしまうので要注意です。

実施は全国主要都市なのですが、11月は約30会場、2月は約10会場と異なります。

11月のほうが実施会場が多いので、より多くの方が受験しています。

試験内容はマークシート式。

問題数と試験時間は、試験のたびに異なる傾向にあります。

1級は60~65問、2級は55~60問になることが多く、試験時間は60~75分です。

いずれにしても問題数に対して試験時間が短いので、スピード感をもって特必要があるでしょう。

ただし合格ラインは公表されていませんが、合格率は80%程度なので、あまり難易度は高くないでしょう。

愛玩動物飼養管理士の試験概要はこちらの記事「愛玩動物飼養管理士1級2級の問題数は?テスト概要を解説」も合わせてご覧ください。

家庭動物管理士

こちらの資格は現在3級のみ。

年に4回程度実施しています。

実施回数が多いので、愛玩動物飼養管理士より受験しやすいですね。

試験会場は全国11会場。

詳しい最新情報は公式サイトでチェックしてくださいね。

問題数は30問で60分。

愛玩動物飼養管理士よりも、余裕をもって解くことができますね。

合格ラインは7割と公表されています。

満点を目指すことはありません。

また家庭動物管理士の合格者は8割程度です。

この合格者割合を見ると、あまりハードルの高さは感じられません。

愛玩動物飼養管理士と家庭動物管理士は違いを把握して自分にあったほうを選ぼう

今回は愛玩動物飼養管理士と家庭動物管理士の違いについて解説してきました。

動物取扱責任者の要件の一部になるなど似ている部分が多いです。

しかし、「取得する目的」「学ぶ内容」「認定機関、資格取得者数」「学習方法、学習期間」「受験資格」「費用」「試験概要」などを比較すると違いがわかります。

今回ご紹介した内容を参考にしていただくと、自分に合った資格はどちらなのか判断しやすくなるでしょう。

取得した後に後悔しないように、しっかり内容を把握した上で、チャレンジしたいですね。